オリジナルジュエリーができるまで
純金オシドリ一家編
1.まずはメールで打ち合わせ
Hさんからは結婚十周年を記念して、純金の
オシドリの置物を作って欲しいとの
ご要望がありました。デザインの参考にこちらの画像を送っていただきました。
2.どんなものにするかじっくり相談
置物というのはあまり作ったことがなかったので、詳しいご要望をうかがいました。
色々相談した結果、H家のご家族全員分(ご夫婦とお子さん3人)のオシドリ一家を作りましょう、
ということになりました。
3.デザイン画を描く
打ち合わせの結果と参考画像などからデザイン画。というか完成予想図を描いて見ていただき、OKをもらいました。
4.素材の検討とお見積もり
今回は純金を使用して、なおかつできるだけ無垢で作って欲しいとの依頼だったのですが、
すべて純金で製作するとなるといったいいくらかかるのか見当もつきません。
そのため完成予想重量などから検討して、ベースの台はスターリングシルバーで製作することにして、
オシドリ本体もできるだけ無垢に近い重量感が得られ、
なおかつ必然的に一部が凹んでいるという形状にすることにして、これでお見積もりを出させていただきました。
5.製作開始 ワックス原型を作る
お見積もり、デザインにOKが出たので製作にはいります。まずは原型ですが、ワックスブロックから削りだして、
5羽のオシドリ親子を作りました。この時点で一度メール画像にて確認していただきました。
オシドリの親鳥の大きさは3cmくらい。それぞれの裏側は周囲を1.5mmほど残し、深さ1.5mmくらい凹ませました。
ここに土台の出っ張った部分がはまるようにしたいと思います。
6.シルバーで鋳造
原型をまずはシルバーで鋳造します。純金は柔らかいので細かい細工が難しくなるのではないかと思い、シルバーの状態で細かい毛並みなどを彫っておきました。このあとゴム型をとっていよいよ純金で鋳造です。
7.ディスプレイを考える
純金で鋳造するにはちょっと時間がかかるので、出来上がるまでの間にディスプレイの方法を考えます。
全体を銀っていうのもいまいちなので、木製のベースに暑さ1mmの銀の板を載せ、それとは別にもう1枚、記念の日付とメッセージをいれたプレートを貼り付けることになりました。このうえにアクリルのケースを載せて、埃避けにします。
8.ディスプレイの製作
シルバーの板をそのまま載せるのも芸がないので、角を丸く落として柔らかさを出しました。
そしてそれぞれのオシドリが収まる場所に、厚さ1.5mmのオシドリのへこみ部分と同じ形に切り抜いたシルバー板を取り付けます。本来ならロウ付けをするところなんですが、これくらい大きい板になると熱によるゆがみなどが心配です。なのでかしめて固定するようにしています。ここにオシドリがすっぽりはまるのですが、さらにこの出っ張った部分には、家族それぞれの名前を彫ることにしています。
これで必然性もでてくるんではないかと・・・
さらにアクリルケースがぴったりはまるように、木製の台を削ったりします。
9.純金オシドリ鋳造完了
そうこうしている間にそして純金オシドリができてきました。やっぱり純金の色は違いますね。なんともいえない山吹色です。
普通ジュエリーを作る時には18金を使うことが多いので、純金を加工するのは貴重な体験です。
純金は柔らかいので、ヘラと言うぴかぴかに磨いた棒でこすり、棒のつやを地金に移してゆくという仕上げの方法をとります。
毛並みも細い針などで一本一本刻みなおしました。
11.そして完成
こうやってできたベースに最後の仕上げを終えた純金のオシドリを乗せ、純金オシドリ一家やっと完成!
Hさんもとっても喜んでくれ、これから先祖代々の家宝として伝えていってくれるそうです。
いや~頑張ってくつった甲斐がありました(^^)
10.ディスプレイ仕上げ
オシドリができたので、ディスプレイも仕上げに入ります。
家族の名前は手掘りの名人にたのんで彫ってもらいました。
別プレートの日付などはレーザー彫刻により仕上げ、シルバーで作った小さな釘で板に固定。
メインのプレートには伝統工芸師の知り合いに頼んで波紋を彫ってもらいました。
そして彫りあがりのゆがみを治したあと、木のベースに裏からネジで固定しました。これでディスプレイも完成。